ムツゴロウ動物王国の住人の日誌です


by mutsugoro-oukoku
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別れ…

 彼女はいつも近くにいた。
 いつの間にか月日が流れ、そして20年になった。生きものがいっぱいの賑やかな空間で過ごし、彼女が発するその大きな歌声は遙か遠くまでも響き渡り、犬たちの遠吠えを誘っていた。
 強い日差しを受けて気温が上昇すると、何万匹ものセミたちの声が森の中に木霊する夏本番を迎えた頃、彼女は食べることを拒否しだした。いつもは大好物のバナナやカステラに口を付けることもなく、時折差し出された桃やブドウの端切れを少々、ジュースをほんの少し程度流し込むくらいであった。それから約1ヶ月が過ぎた。
 体の中の何かが壊れ始めていたのかもしれないし、もっと根本的な、心の病を抱えていたのかもしれない…。野生で生きる動物たちは、最後の最後まで我慢をする。もっと早く対処していれば、何とか持ちこたえてくれていたのだろうと考えると後悔も大きい。

 2006年8月24日、シロテテナガザルの『ナナ』が亡くなった。

 小さな体を初めて手の平で受け止めて以来、北海道で暮らし、そして昨年あきる野にやって来た。数限りないエピソードのひとつひとつは、また別の機会にでも公表ができればと考えている。その時々の仕草やまわりの風景が、記憶の中に今でも残っているからだ。
 生きものたちとの別れは本当に仕方がないことで、すぐそばでは元気に走り回る若い犬たちの姿がある。いつも『こんにちは』と『さようなら』を繰り返す。それが動物王国での暮らしである。

 ご報告が皆様に遅れましたことを、ここでお詫びいたします。いつの日か王国に遊びに来て下さい。何か思いでのある方々、『ナナちゃん話』で盛り上がりましょう!
                                              山本 和也
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by mutsugoro-oukoku | 2006-09-07 13:47